保健師と看護師は、法律面や資格取得に際して、密接な関係といえる。まず、法律面でいえることは、どちらの資格も保健師助産師看護師法に基づく国家資格であることだ。資格取得の面を見ると、保健師になるためには看護師の国家試験で合格が必須となっている。また、保健師養成課程のある学校に1年以上通い、保健師国家試験に合格して、ようやく保健師として働けるのだ。なお、看護師になるには、看護系の高校や大学などでカリキュラムを3000時間以上受け、看護師試験での合格が必要となる。

保健師は保健指導による疾患や怪我の予防、看護師は疾患や怪我をした患者へのサポートを行う。仕事の目的やできる範囲が異なるだけでなく、働く場所も異なることが多い。例えば、保健師が働く場所は、市区町村などの行政機関をはじめ、企業や学校などが挙げられる。これに対して、看護師は病院や介護施設で働く人が大多数だ。そのほか、保健師はデスクワークが多く、看護師は人と接触する仕事が多くなる。ステップアップすることで、仕事内容が大きく変化するのだ。

看護師から保健師になると、日常生活を改善するプログラムの作成や指導ができる。看護師は、危篤患者に接するケースも多く、やりきれない思いを抱くこともあるだろう。そのような状況を防ぐために仕事を行うのが、保健師の存在意義といえる。看護師として助けられず、後悔していることがあれば、取得する価値を持つ資格だ。保健師養成課程で本格的に勉強すれば、80%以上の確率で合格するといわれている。